『戦争をやめてくれ!』頼むからやめてくれ!第3話続き

2014年2月3日(月)【天馬天吉の今日の名言】

お早うさん!

今日も1日元気に明るく、絶好調!

 

『戦争をやめてくれ!』頼むからやめてくれ!

 

第3話続き

 

象係の人は、もう我慢できません。

「ああ、ワンリーや、トンキーや。」

と、餌のある小屋へ飛び込みました。

そこから走り出て、水を運びました。

餌を抱えて、象の脚に抱きすがりました。

動物園の人たちは、みんなこれを見てみないふりをしていました。

園長さんも、唇を噛み締めて、じっと机の上ばかり見つめていました。

象に餌をやってはいけないのです。水を飲ませてはならないのです。

どうしても、この二頭の象を殺さなければならないのです。

けれども、こうして、一日でも長く生かしておけば、戦争も終わって、

助かるのではないかと、どの人も心の中で、神様にお願いをしていました。

けれども、トンキーも、ワンリーも、ついに動けなくなってしまいました。

じっと身体を横にしたまま、動物園の空に流れる雲を見つめているのがやっとでした。

こうなると、象係の人も、もう胸が張り裂けるほどつらくなって、象を見に行く元気がありません。

他の人も苦しくなって、象の檻から遠く離れていました。

ついに、ワンリーは十幾日目に、トンキーは二十幾日目に、どちらも、

鉄の檻にもたれながら、やせこけた鼻を高く伸ばして、

万歳の芸当をしたまま死んでしまいました。

「象が死んだあ。象が死んだあ。」

象係の人が、叫びながら、事務所に飛び込んできました。

げんこつで机を叩いて、泣き伏しました。

動物園の人たちは、象の檻に駆け集まって、みんなどっと檻の中へ転がり込みました。

象の身体にとりすがりました。象の身体を揺さぶりました。

みんな、おいおいと声をあげて泣き出しました。その頭の上を

またも爆弾を積んだ敵の飛行機が、ごうごうと東京の空に攻め寄せてきました。

どの人も、象に抱きついたまま、こぶしを振り上げて叫びました。

「戦争をやめろ。」

「戦争をやめてくれえ。やめてくれえ。」


後で調べますと、盥位もある大きな象の胃袋には、

一滴の水さえも入っていなかったのです。

その三頭の象も、今は、このお墓の下に、静かに眠っているのです。

動物園の人は、目を潤ませて、私にこの話をしてくれました。

そして、吹雪のように、桜の花びらが散り掛かってくる石のお墓を、

いつまでも撫でていました。

 

 

みなさん・・・いかがでしたか?

天吉は涙が止まりません。

トンキーとワンリーが最後の力を振り絞って

芸をやったあのシーンが目に浮かびます。

なんと切ない・・・切ない光景でしょうか。

命懸けで飼育をしていた人たちの心境は

どれほどのものだったか・・・

つい最近孫を連れて東山動物園で象を

久々に見たばかりだったので余計ジンジンきました。

戦争とはどれほど罪深いものか知らされますね。

みなさんの飼っているペットを、ご覧下さい。

あなたがいないとその子は数日で死んでしまいます。

愛しくありませんか。